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お知らせ:新型コロナウイルス感染症対策④

新型コロナウイルスについて

R2.6.22.霧島整形外科病院 院長 井㞍幸成

 

6月16日、厚生労働省から7950人を対象とした新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の抗体検査の結果が公表されました。東京0.10%、大阪0.17%、宮城0.03%とのことです。そのほかにソフトバンク社による調査(44000人調査)では0.43%、東京大学による調査(1000人)では0.7%との報告があります。これらの調査はIgGを用いた検査で過去に新型コロナウイルスに感染した証拠とされています。

この報告が正しいとすると、東京などでは1~5万人程度の既往者がいることになります。

PCR検査はこれまでよく用いられてきた検査方法ですが、その精度には限界があります。偽陽性(本当はウイルスないのに陽性になる)、偽陰性(本当はウイルスあるのに陰性となる)確率が、30%とか20%と言われています。これは、検体採取時や処理過程に生じる避けられないエラーです。

こういう100%の精度でない検査を用いて疫学調査をする場合、条件付き確率という数学的手法を用います。もし、人口当たり0.1%の有病率で、偽陽性率10%、偽陰性率10%(これは相当高い精度と見積もった場合です)とした場合、PCRで陽性となった場合、本当にウイルスを持っている確率はどのくらいになるでしょう。

0.89%です。すなわち、PCR陽性でも99.11%の確率で患者ではないということです。

勿論この母体を変えて、すなわち有病率が高い集団(臨床的に肺炎がある人々、SARS-CoV-2感染が確定した患者さんの濃厚接触者)などにすれば、その確率は上がります。

 

また、もう一つ見逃してはいけない事実があります。6月10日18時に厚生労働省が公開した新型コロナウイルス感染症の国内発生状況の資料ではPCR陽性者17090名中日本国籍確認者は7528名です。これは、日本国内のPCR陽性者の56%が日本人ではないことを示しています。

これまで日本の医療機関などで治療や経過観察を受けてきたPCR陽性者が実は外国人(外国から日本に入ってきた人)であり、国内の伝播が少ないことが分かっています。日本国籍者についても海外からの帰国者が何人なのかも公表してほしいと思います。私たち日本人の日常生活の中でウイルスが伝播する危険性の実態を知る必要があるからです。

政府により4月7日緊急事態宣言が発出され、強い自粛が要請されました。外出の制限、休校などが事実上強制され、私たちは強くこれを守りました。結果、5月25日緊急事態宣言は終了しPCR陽性者内の死亡者数は953名(6月21日現在)でおさまっています。これは昨年冬季(2018年)のインフルエンザウイルスによる死亡者数3325人を大きく下回っています。日本人の几帳面な生活様式が影響しているという意見もありますが、本当にそれだけでしょうか?感染ピークアウト(感染の減少傾向出現)がすでに緊急事態宣言前、すなわち外国からの入国制限を厳格化し始めた3月下旬にあったという解析も報告されています(京都大学大学院藤井聡教授)。

これ等の事実から考察すると、日本におけるCOVID-19感染症は、非常に少なく、重症度も低く、海外からの持ち込みが大半であり、通常の日本人の清潔な生活(手洗い、お箸の使用、入浴、室内土足禁止など)をしていれば、広がることがない、ということになります。

今後ウイルスはなくなることはまずなく、宿主(人)と生き続けることになります。冬に近づけばPCR陽性者数が増えたと報道が過熱すると思われます。その前に、今わかっている本当の事実を知りたいと思います。

そして最も大事なことは、不確実な情報で誘導され、集団パニックを起こさないことです。今思えば、私たちはPCR陽性という結果だけで感染患者と決めつけ、社会的差別をしてきました。学校を辞めた学生やお店をたたんだ経営者もいると思います。アフリカやヨーロッパでの焼き討ちが伝えられていますが、デマでパニックを起こしているこれらの国々の出来事と日本国内の空気は大差ないのかもしれません。

感染経路不明者という定義も理解するのが難しいです。感染経路が解明されたということは、入国してきた最初の感染者までたどり着いたのではないと思います。PCR陽性者の周辺に他のPCR陽性者を見つけたにすぎず、濃厚接触者の定義も議論の余地があります。症状のない人に検査を強要することは法律上問題ないのでしょうか。

 

PCR陽性者と感染患者の違いが大切です。やはり、感染症を発症し抗原検査で陽性が確認された人だけを、新型コロナウイルス感染患者とし治療を行うという、通常(結核などの感染症)の対応に落ちつく必要があると思います。

 

皆さんはいかがお考えでしょうか?