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新型コロナウイルスについて⑦

R2.9.8.霧島整形外科病院 院長 井㞍幸成

今年は台風の当たり年でしょうか。9号10号と立て続けに接近しました。幸いに、国分隼人地区には大きな災害はなかったようです。病院の周りの田園の稲も、まだ青々としている稲穂を力強く伸ばしています。

現在、人口160万人の鹿児島県内PCR陽性者数は41人(9月7日現在)PCR陽性率が1.7%、実効再生産数0.68(9月5日)と報告されています。これは終息宣言に匹敵する状況だと思います。しかし社会は麻痺したままです。

私自身は夏休みにGo to トラベルで大阪・奈良にいってきました。また、先週は学会の用事で東京に行ってきました。99.9%の人がこの暑い中マスクをして、通りも空港もあらゆるところが閑散としていました。これは国民の多くがテレビや新聞のあおりで、新型コロナウイルスを異常に恐怖しているからです。私の周りも、公共施設・学校・ひいては科学的な判断ができるはずの最高学府まで非論理的なパニック行動をとり続けています。

病院を経営する上で、最もそして唯一心配すること、それは風評被害です。全く問題のないにもかかわらず患者さんや職員・出入りする人のPCR陽性が示されたとき、何も悪くないのに、謝罪させられたり、診療ができなくなるいじめにあったりすることが予想されます。理不尽そのものです。

この半年間、自分なりに色々な情報を整理し、このブログで表現してきました。当初は大変な危機感を持ち毎日のように厚生労働省の発表をフォローしていました。門田隆将氏の『疫病2020』を精読したり、ResearchGate登録して最新の情報を集積したりしましたが、その後の理解で、実はCOVID-19は既に収束しているという考えを持つようになりました。しかし、当病院の同僚の皆さんも、私の意見に耳を傾けず(このブログを読んでいないようです)テレビのコメンテーターの言うことを信じています。子供は県外の旅行に行けば2週間の登校が許されないとのことで、保護者である自分と旅行にいくこともかないませんでした。施設に入っている90歳の父とは、電話のみの面会が4月から続き、親不孝が続いています。

霧島整形外科病院を開設し、来院してくださる地域の患者さんに毎日全力で自分の力を振り絞ることで貢献したい、やりがいを感じたいと思い、仕事に取り組んできました。子供たちが生きていくこの日本社会に感謝し、思い入れをもって生きていけると実感していました。しかし、自分の信念とは異なる対応をしなければならないこと、明らかに間違っていると確信する社会風潮に逆らえないことを、とても苦しく感じます。違う意味でのコロナ鬱かもしれません。

一言でいうと、PCRという怪物にしてやられている状況です。私は整形外科医で感染症や疫学の専門家でありませんが、以前米国の研究室で基礎研究に携わっていたことがあります。この時、RT-PCRを嫌というほどしてきましたが、いつもそこの教授に言われていたことは、タンパクレベルでの定性、定量を示さなければ認められないということでした。すなわち、PCRは遺伝子断片を増幅するので極めて美しい実験手技ですが、プライマーの設計や、サイクル数などの設定で増幅する遺伝子数が大きく違い、その結果の解釈が難しい、PCR産物のシークエンスまでして、初めて結果を持ってこい、と指導を受けていました。今回の世界的な、PCRの問題点すべてに目をつぶった対応に疑問を持つ理由です。私などより立派な分子生物学者が沢山いる最高学府の先生たちが、何も言わないのはどうしてなのかと本当に疑問です。

PCRの開発者でノーベル賞受賞者のキャリーマリス氏のDancing Naked in the Mind Field.の訳本『マリス博士の奇想天外な人生(福岡伸一訳)』を読みました。私なんかより、深くそしてもっと深く孤独を感じていたマリス氏の心に触れたような気がしました。

皆さんも、もし、テレビを見る暇があったら一度読んでみてください。

気を取り直して、明るい社会をもう一度創りましょう、という言葉で今日の報告を締めくくりたいと思います。