職員ブログ

31-33日目

ついに研修も終わり近づいています… 今までのHSSの思い出が走馬灯のように流れ始めるこの頃ですが、HSSのリハビリ科ではレジデントの先生のローテションが行われまたまたフレッシュな雰囲気となっているところです。皆さん若々しいですね!

さて、研修ですが、月曜Dr.kirshner、火曜Dr.Wyss、水曜Dr.Feinbergと豪華ラインアップの見学です。

いつもですが3人の研修はためになります。

Dr Kirschnerは、変わらず色々と難しそうな方が多いですが、しっかりと説明されますので皆さん笑顔で帰られます。サラリーマンのフィットネス中の痛みの方が多いようです、さすが世界の中心のサラリーマン自己管理もしっかりしている反面、トラブルも多いようです。確かにNYの道路は結構がたがた、石畳のところもあり少し負担が強そうです。リハビリ科の先生がスポーツリハも専門にするのは市民の皆さんに運動習慣が浸透しているからなんですね。これから日本も健康に対する意識が変わって、このようになってくるとよいですね!

さて火曜日はDr. Wyssに一日密着でした。午前中面白い経験をしました。L3/4の椎間板ヘルニアの方が3名続きました。二人の方は1か月の保存療法で痛みが全くなくなっています。しかし残りの方は痛みが80%残ってます(こちらでは痛みの程度を0~100%聞きます)。違いは?というと、もちろん多少のヘルニアの突出の違いはありますが、初期の対応で神経内科に行ってリハ介入が遅れたこと、ご本人のご性格(少々頑固な方でした…汗)だろうとのことでした。ここで感じたことは初期の対応が大変重要であるということです。Macnabの教科書には、椎間板ヘルニアは90%保存治療で改善するともあり初期対応と保存治療の質の向上が必要ですね。また患者さんと信頼関係を作らないとうまくいかないということも感じました。NYだけなのか、アメリカがそうなのか、大変患者さん方は病気に関して勉強されておられているとともに、どんどん質問をしてこられます。患者が医師を育てる、とはこのことかなと感じた午前中でした。

午後からはSPUでの注射でした。Dr. Kirshnerとは異なる方法で大変興味深く見学できました。この日は椎間関節への注射で椎間関節性の疼痛に対しブロックを行っていました。椎間関節へのブロック注射とMBBの違いを聞き、改めて腰痛の病態、病理を知る必要性を感じました。また少し時間があったので、ナイスガイの放射線技師さん(こちらではRadiological technologistというそうです)に色々とお話を伺いました。各撮影機器がよいのは置いといて、仙椎化した腰椎や疼痛部位をうまく撮影する方法やDrへの被ばく量を減らすための工夫、脊椎手術中の撮影方法等色々と習いました。皆さん本当に工夫されてるんですね~なんとか残りの時間で撮影室を見学に行きたいですね!

そして水曜日、この日は腕神経叢障害、長胸神経障害、術後の尺骨神経障害、胸郭出口症候群等の患者さんが目白押しでした。本当に、病態が難しく理解できない方が多かったです…腕神経叢障害の方の障害像と原因の特定は本当に難しい…Dr.Feinbergも私も難しいよ~なんておっしゃってました。この日の方は、巡り巡ってきた方が多く、結構治りかけている方が多かったです。喜ばしいことでもありますが、確定診断に至るまで時間がNYでもかかってしまっていることに、頚部から上肢にかけての神経障害の難しさを感じました。しっかり評価していきたいですね。

この日、また勉強になったことがありました。朝一の患者さんが腰痛でご来院されておりました。若い女性で、走ったり、ずっと立ってたり、仕事中に腰痛が増悪しこまるとの訴えです。要望としては、痛みをとることと、運動がお好きなようでゴルフをしたいそうです。神経症状もなく、筋力低下もなく、腰背部のハリ感と筋痛がメインでした。浅はかな私は筋筋膜性の腰痛と判断し運動療法で改善するかな~と考えておりました。…が、本日見学させてもらっていたフェローの先生は、椎間板性の腰痛と診断されておりました。なぜかなぁと思い質問したところ、問診中に痛みある時間帯を聞いており、その時の訴えをしっかり聞き逃さず診断につなげておられておりました。患者さんの訴えの中で朝一の腰痛が強い、これを私は聞き逃しておりました…涙 精進します…

Dr.Feinbergにも同様の質問すると、私は絶対に筋筋膜性疼痛という診断はつけない、なぜなら緊張している筋肉の状態は結果だからだ(のようなニュアンスをお話しされていまいた)。もし筋筋膜性の疼痛ならばマッサージや筋膜リリースでよくなるはずだが、次の日にもとに戻ってよくならないのは筋肉が原因ではないからだ。だから、原因が椎間板なのか、椎間関節なのか、ヘルニアなのか、などを必ず突き詰める必要がある。と申されておりました。 …精進します!

たくさん宿題を頂いている毎日です。

さて、気張ってばかりではいけませんので今週火曜日は少し早めに終わりましたこともあり、近くにありますグッゲンハイム美術館へ足を運びました。近代芸術を中心とした美術館で、一言では言えない雰囲気にいつもでは味わいない感覚になりました。パンのコロネを縦にしたような建物で、真っ白な建物の中に個性的な作品が並んでおります。中は吹き抜けになっており、らせん状に通路がスロープ状に上に向かってぐるぐるとのぼり、これだけで芸術的です。もちろん下から登山、ではなく一番上までエレベーターでのぼって下りながら見るような形でも回覧できます。ふと吹き抜けへ視線をやるとそこに見える通路や吹き抜け、作品が並んで見れて、普段見れない景色や華やかさ、不思議な空間を味わえます。なんか気分転換になりました!

この日は最高気温がおそらく7度くらいまでしか上がらず、大変寒い一日でした。うっかり薄着で出ていた私はあまりの寒さに我を忘れ写真を忘れておりました。なので少し、写真をお借りしてグッゲンハイム美術館をご紹介します!

↓コロネ、と表現して申し訳ございません…ぜひNYに行った際には、メトロポリタン美術館とセットでお楽しみください!

NYC_-_Guggenheim_Museum.jpg

(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BD%E3%83%AD %E3%83%A2%E3%83%B3%E3%83%BBR%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%83%E3%82%B2%E3%83 %B3%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%A0%E7%BE%8E%E8%A1%93%E9%A4%A8#/media /File:NYC_-_Guggenheim_Museum.jpgより引用)