PRP療法(多血小板血漿療法)
PRP(Platelet Rich Plasma)療法は、多血小板血漿療法と言われ、患者様ご自身の血液を専用キットにて採血し、それを遠心分離することにより損傷した組織を修復する役目のある血小板を濃縮したPRP液を精製します。
本来備わっている治癒能力を高めて、傷んだ組織に対して炎症の鎮静化や疼痛緩和、組織修復の働きをします。
当院で用いるPRPキットは、APSキット・GPSⅢキット・ACPダブルシリンジキットの3種類です。調製方法によって得られる成分が異なり、特性も異なるといわれています。
当院では、患者様一人ひとりの疾患に適したPRP療法をご提案しております。
- 変形性関節症(膝、肩、股関節など)
- 膝関節軟骨損傷
- 半月板損傷
- 膝蓋腱炎
- アキレス腱炎
- 足底腱膜炎
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
- 肘内側側副靭帯損傷(内側型野球肘)
- 肩腱板部分損傷または不全断裂など
適応疾患 | PRP | ||||
---|---|---|---|---|---|
ACP | GPS III | APS | |||
部位 | 関節 | 変形性関節症 | ○ | ○ | |
筋・腱・靭帯 | 筋腱炎等 | ○ | ○ | ||
同日注射 | 可能 | 可能 | 可能 | ||
手術 | 不要 | 不要 | 不要 | ||
価格 | ¥33,000 | ¥110,000 | ¥330,000 |
ACP
ACPダブルシリンジシステムにより精製される“白血球を極力除外したPRP“です。この白血球をほとんど含まないタイプのPRPは変形性膝関節症の治療に一般的に用いられる種類のものであり、信頼性の高い研究で変形性膝関節症に対して治療の安全性と有効性が統計的に示されています。
スポーツ関連疾患(筋・腱・靭帯の外傷)についても、保健医療におけるリハビリを十分行ったが改善が見られない方、捻挫や肉離れ等の症状があり、少しでも早期回復を望む方も適応となります。
特徴として、白血球をほとんど含まないため、投与後の患部の腫れや疼痛が少ない点があげられます。
GPSlll
“GPSⅢは、白血球を多く含むLRーPRP(高白血球多血小板血漿)を作ることができます。
白血球には、炎症を引き起こし不要な組織を壊していく代謝作用があります。組織の修復、治癒に重要な役割を果たしているため、筋・腱付着部といった組織の治療に有効とされています。
例えば腱や靭帯には柔軟性が必要ですが、炎症によって硬くなった腱に血小板だけ注入しても、ますます硬化し柔軟性は取り戻せません。その点、白血球を多く含むPRPであれば、白血球が硬くなった組織を分解したうえで、血小板が新たな組織を再生してくれます。
但し、白血球が多いと炎症を起こし過ぎてしまう可能性もあるため、施術部位や病態に適したPRPを選択することが重要になります。
当院では主に慢性的な筋・腱付着部の炎症に対する新しい治療として、患者様一人ひとりの疾患に適したPRP療法をご提案しております。
APS
APSは「次世代PRP」と呼ばれる自己タンパク質溶液(Autologous Protein Solution,APS)のことであり、患者さん自身の血液中から取り出したPRPに、さらに脱水・濃縮という工程を加えて、炎症を抑えるたんぱく質や軟骨を守る成長因子を高濃度に抽出したものです。
この成分は、関節内で炎症性のタンパク質の活動を阻害し、炎症を抑える効果があります。
APSは関節の痛みや腫れなどの関節炎の治療に適しています。
治療の流れ
ACP/GPSIII/APS療法の場合
1. 問診、診察、検査
症状や画像検査などの結果から、この治療法の適応かどうかを判断します。
適応の場合、治療を行う日程を決めます。
2. 採血 ⇒ PRP分離 ⇒ 施術
すべての治療は当日中に完了します。
1. 採血
1キット約15mL~50mLの血液を採取します。感染症検査のために追加の血液を採取させていただく場合があります。
2. PRP分離
採取した血液を遠心分離しPRPを作製します。
3. 施術
PRPを患部に注入していきます。
※治療当日の激しい運動や飲酒、マッサージなどの治療部位に刺激が加わるようなことはお控えください。
※治療部位の感染を防ぐため、当日の入浴はお控えください。
※採血した血液は全てPRP作成に使用し、保管しません。また作成したPRPも全て患部に注入するため保管しません。
2~3日は安静に過ごしていただき、1週間後から筋力強化やストレッチなどのトレーニングを患者様の状態にあわせて開始します。 関節周囲等の筋力を強化することで、症状の進行を抑え、症状を軽減させる効果が期待できます。
3. 再診
この治療に関しての経過や治療効果を評価します。
治療後は経過観察のため、1週間後、1か月後、3か月後、6か月後にご来院ください。
治療のメリット
- ご自身の血液を使用するため、感染症やアレルギー反応等がなく安全性が高いです。
- 日帰りでの治療が可能です。
- 治療後から普段の生活が可能です。
- 治療回数に制限はありません。
PRP療法、ASC療法は完全予約制・自由診療(保険適用外)です
完全予約制
自由診療(保険適用外)
再生医療は完全予約制となっております。初診の方は予約電話受付0995-73-8840へお電話下さい。また、当院で提供する各種再生医療は公的保険の対象ではありませんので、全て保険適用外診療(自由診療)となっております。
治療における注意点
- 治療効果・効果の持続期間には個人差があります。
- 自由診療となり、健康保険など医療制度上の保険が適応されません。
- 注射により数日間、一時的に炎症(痛み、熱感、赤み、腫れ)を伴うことがあります。
- 採血部位・治療部位に皮下出血等が起こる場合があります。
ご予約・お問い合わせ
診療・受付は完全ご予約制となります。
お電話または、お問い合わせフォームにてご予約をお願いいたします。