Performance & Conditioning Laboratory

2019 総括 投球フォーム指導コース

19.1月~10月までの活動報告です。

2019年は、成長期に起こりやすい「身体の開き」と「肘下がり」について調査研究を行いました。
成長期は、身体の成熟とスキルの習熟が同時に起こるゴールデンタイムですある半面、野球人口の激減に伴うオーバーユースによる成長期障害も多く認められます。
我々の使命は、機能面を評価し、障害予測を考える。そして改善および予防への指導を行うことです。運動機能と投球フォームの細かな分析、障害発生予測を含むパフォーマンスとの関連性を明確にすることにあります。
理学療法の課題は、動きの評価です。 動きを定量化することは困難を極め、かつ理学療法士の力量により左右される不安定な部分であります。 しかし院内外の理解も深まり、本年より三軸加速度計も仲間入りしました。 加速度計は、各部位の角速度および関節角度を算出できる優れものです。 6個のセンサーを体幹、骨盤、両大腿、両下腿に装着し、投球フォームの分析に当たりました。
今回テーマは、投球時における「身体の開き」と「肘下がり」との関係性を明らかにすることとしました。
参加者は、95名の中高生。 5人の理学療法士が5つの疑問を明らかにしてくれました。
〇九州理学療法学会:松野竜工(奨励賞) 「中学生野球選手における投球動作時の肘下がりと体の開きとの関係性について」

〇スポーツ理学療法学会:足立貴志 「中学野球選手における投球時の投球側への骨盤側屈について」
〇臨床スポーツ医学会

水口寛之 「中学野球投手における投球動作時の肘下がりと下肢筋力の関係性」

善福大輔 「投球時に体の開きを生じる中学野球選手の特徴について~関節可動域の検討~」

田丸智章 「中学生野球選手の投球動作時における「体の開き」に与える因子の検討~骨盤・体幹・下肢の角度について~」

 

今回の研究で、「身体の開き」と「肘下がり」の関係性は、明らかとなって来ました。しかし、なぜその現象が起きているかまでは、究明に至りませんでした。そこでこれからの課題として原因を究明していきたいと考えています。 現場は、その答えを望んでいます。 その希望がある以上私たちの使命を全うしていきたいと考えております。   いつもご協力いただいている皆様に対して、心より感謝いたしております。これからも応援よろしくお願いいたします。

理学療法士 橘木康文